加藤じゅん
産婦人科11年目 |
産婦人科に限らず、多くの女性医師が抱える問題の一つは仕事と妊娠、育児をいかに両立させるかではないかと思います。私の場合は卒後4年目に結婚し、5年後に長女を出産しました。現在1歳7カ月の娘の育児真っ最中です。
産後4カ月で仕事に復帰しましたが、いちばんの問題はやはり子供のことでした。日中子供を預ける保育園はすんなり見つかったものの、急な病気になったときはどうするのか、当直はできるのか、担当患者さんの急変や分娩などの急な呼び出しに対応できるのかといった問題がありました。
最近は働く女性の為のシステムが徐々にではありますが整備されつつあり、私も幸い良いベビーシッターさんに出会うことができ、病気で保育園に預けられないときや手術などで保育園のお迎えが遅れるときなどには、私に代わって子供を見てもらっています。また、大学医局からの働きかけと同僚医師の理解を得て、当直を免除していただくことができました。常勤でありながら当直免除してもらえるのは、院長と私くらいでしょうか、本当に感謝しています。担当患者さんの分娩も当直の先生に立ち会っていただいています。
仕事と育児の切り替えに苦労してはいますが、子供をもって初めてわかったことや自分が患者の立場になって見えたこともあり、産んでよかったと思っています。自らの出産経験が医者としての仕事に役立つ科は産婦人科だけですね。これから医師を目指す女性達にもぜひ出産や育児を体験して欲しいと思います。
近年女性医師が増えており、今後出産を迎える医師の数も当然増えてくるものと思います。育児中の女性医師に対するサポート体制は充分でなく、同僚の先生方の負担の上に成り立っているのが各科共通の現状です。夫の育児に対する協力についても、それを快く許してくれるような社会の雰囲気は乏しく、育児の負担のほとんどは女性に大きくのしかかってきています。しかし、急増する女性医師、女性医師の結婚、妊娠、育児の問題は、今や個人レベルの問題ではなく、大きくいえば国、最小でも病院レベルで対処する問題です。これから出産に臨む女性医師のためにも何らかのサポート体制が整えられるべきですし、われわれ女性医師がそれに向かって働きかけをしていかなくてはならないと思っています。
産婦人科はここ数年女性医師の入局が増えてきています。出産、育児などの女性医師特有の問題について、金沢大学医局は熱心に対応してくれており、北陸の産婦人科は女性にとってより働きやすい職場となってきていると感じています。私はこれからも、女性のための科、産婦人科で、楽しく積極的に仕事を続けていきたいと思っています。 |
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